ネコちゃんは、おしっこのトラブルが多いことをご存知でしょうか?
特に秋口から冬にかけての寒い時期は、水をあまり飲まなくなる影響で、尿が濃くなり、膀胱炎をおこしやすくなります。
また、高齢のネコちゃんは、腎臓病の初期症状として、薄い尿をするようになります。
症状が出にくいこともあり、気づいた時には進行いていることもあります。
定期的に尿検査をすることで、目に見えない体の異常をいち早く見つけてあげましょう。
【尿検査の目安】
~10歳 ・・・ 年1回以上
10歳以上 ・・・ 年2回以上
①PH値 | 尿路結石・細菌感染 など |
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②ビリルビン | 肝臓疾患・胆道疾患・黄疸 など |
③尿糖 | 糖尿病・急性膵炎・クッシング症候群 など |
④潜血 | 膀胱炎・尿道炎・尿路結石・前立腺炎・腎炎 など |
⑤尿たんぱく | 腎臓疾患・尿路異常 など |
⑥尿比重 | 腎臓疾患・尿崩症 など |
飼主様からよくご相談をお受けするのが、採尿(おしっこの採り方)についてです。
ネコちゃんは誰かに見られていると緊張しておしっこをしなくなることもあるため、下記の方法をおススメしています。
固まる砂の場合 | おしっこをするタイミングに合わせて、スポンジに直接おしっこを吸わせてください。 |
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固まらない砂の場合 | 一番下の給水シートを取り外し、おしっこをしてくれたら、シリンジ(注射器)で吸うか、スポンジに吸い込ませて下さい。 |
ペットシーツの場合 | 裏返しにしておき、おしっこをしてくれたら、シリンジ(注射器)で吸うか、スポンジに吸い込ませて下さい。 |
「1日経ったおしっこ」、「量が少ないおしっこ」、「シーツや砂で固まっているおしっこ」、などは検査ができません。
どうしても採れない時はご相談ください。
■ ご自宅で採尿できない場合には ご自宅で採尿できない場合には、病院でお預かりして採尿をする方法もあります。 お預かり時には、膀胱や腎臓などの状態もエコーで検査することも可能です。診察時にご相談ください。 |
(1)尿石症
尿管、膀胱・尿道に石が存在する事により、血尿や膀胱炎の原因となる病気です。
遺伝的な体質による影響もございますが、尿路感染や水・フードの成分による原因もあります。
ネコは元々砂漠に住んでいた動物なので、尿を濃縮して排泄するようにできています。
このため、犬に比べてこの病気が多いのです。
この病気はオスでもメスでも発生しますが、オスの方が尿道が長くて細いため、尿道閉塞を起こすリスクが高くなります。
【尿石症の代表的な症状】
(2)尿道閉塞症
尿道内に結石や栓子(壊死組織、凝血塊、炎症産物)、尿道の腫瘍が尿道を塞ぐ事によって尿を出せなくなる病気です。
ペルシャやヒマラヤンなどの品種が尿石症をよく起こしやすい品種ですが、正確には不明です。
尿道が細くて長い雄猫に多い病気で、およそ10歳までは尿石症や尿道栓子が原因の割合が高く、10歳を越えると腫瘍などの原因の割合が増加する傾向です。
【尿道閉塞症症の代表的な症状】
(3)糖尿病
インスリンの欠乏によって起こる病気です。
膵臓でつくられるホルモンのインスリンは、身体の細胞が血糖を利用するのに必要なものです。
インスリンがないと、糖は血中にとどまるため尿中に糖が漏れ出してきます。
【糖尿病の代表的な症状】
ネコちゃんは知らない間に命に関わるウイルスに感染している可能性があります。
これらのウイルスは、感染しているかどうかを血液検査で調べることができます。
ネコちゃんが感染するウイルスにはいくつかの種類があり、飼育し始めた時には既に感染していることもあります。
必要な検査は入手経路にもよって異なりますので、診察時にご相談ください。
また、外に出かけられる環境で飼われている場合は定期的に検査することもお勧めしています。
① 猫免疫不全ウイルス(FIV)
② 猫白血病ウイルス(Felv)
③ 猫伝染性腹膜炎(FIP)
④ トキソプラズマ
などの感染症を調べることができる検査です。
全員が必要な検査ではありませんが、以下に当てはまる子は検査をしておくと安心です。
特にお家にやってきたタイミングでは、感染の有無をしっかりと調べておくことをお勧めしています。
1ml程度の採血をするだけですので、小さな子ネコでも安心して検査が可能です。
また、採血した血液は、ウイルス検査だけでなく、健康診断としての血液検査も一緒に行う事が出来ます。
1回の採血でネコちゃんの健康状態を多く知る事は、ネコちゃんにとって負担が少なく、より良い生活に効果的ですので、健康診断としての血液検査も合わせる事をオススメしています。
① 猫免疫不全ウイルス(FIV)とは?
一般的には〝猫エイズ〟と呼ばれている病気です。母子感染はほとんどなく、主に感染猫とのケンカによる咬傷などから感染する病気です。もちろん人間には感染しません。
発症すると発熱、下痢、鼻水、口内炎、リンパ腺の腫れなどが見られ、終末期には免疫機能が重度に低下し、感染症や、貧血、悪性腫瘍などにより死に至ります。
② 猫白血病ウイルス(Felv)とは?
このウイルスは唾液中に多く存在するウイルスです。そのため、Felv陽性のネコと〝仲良し〟の子ほど感染しやすく、グルーミング、食器の共有、尿、涙液、母乳、血液、咬傷などが感染源になります。
発症すると、元気がなくなり、発熱、下痢、鼻水、白血病の減少、血小板の減少、貧血、リンパ腫などの症状が出て、致死率の高い病気です。
③ 猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?
コロナウイルスが原因となり、腹膜炎や腸炎を起こし、発病してしまうと死亡率が高い病気です。
コロナウイルス自体は感染していることは珍しくないウイルスですが、体内で突然変異してFIPウイルスとなります。
1頭飼いより多頭飼いの方が感染しやすいことが知られており、特に生後1年以内での発症が多いと言われています。
多頭飼いの場合には、検査をしておくことをお勧めします。
④ トキソプラズマ
トキソプラズマという寄生虫が感染する病気です。この病気は人や他の動物にも感染する人獣共通感染症(ズーノーシス)でもあります。
健康な人が感染してもほとんど何の症状も出ないので、通常は問題視されることはありません。
しかし、妊婦の方は感染すると、流産や新生児に影響を与えたりすることがあるため、注意が必要です。
家族や親族、近隣に妊婦の方がおられる場合には、検査をしておくことをお勧めしています。
ごくわずかの採血で色々な病気・異常の発見ができます。腎臓・肝臓・すい臓などの臓器の異常から、赤血球・白血球・などの血液の状態、甲状腺ホルモンなどのホルモン異常、貧血・多血症などの身体の異常まで、幅広い健康情報を得ることができます。
年1回検査することで毎年の健康状態を把握できます。
【血液で分かる病気の例】
※測定する項目によっても異なります。詳しくは獣医師にご相談下さい。
① 検査結果はその場で解析、すぐに対応が可能です
当院の血液検査はリアルタイムで結果が分かるため、結果を数日間も気になさる必要はありません。
ちょっとした異常があったとしても早期対応ができます。
② 蓄積された「健診データ」と検査結果の「解析力」が当院の強みです
ネコちゃんは生活スタイルが個別に違い、何を「異常のサイン」とするかも異なります。
当院では年間で数多くの健診を行っており、様々な病気のデータが蓄積されています。幅広いデータに基づく診断をご提供できることが当院の特徴です。
■ よくあるご質問 ~健康な状態でも血液検査は必要なの?~ |
健康に見えても実は・・・ということもよくあります。 健康な状態での血液検査の数値を調べておくと、何か異常があった際に病気の早期発見に繋がります。 健康基準値が分かります。 そのため、もしも・・・の時の判定にも利用できるため、将来の病気の早期発見にも繋がります。 |